生理機能検査部門

受付は中央棟2階、生理機能検査エリア「C」と書かれたカウンターになります。
生理機能検査は患者様のからだを直接調べる検査です。検査の目的によって様々な検査があります。

生理機能検査

(1)循環器機能検査

  1. 安静心電図
    心臓は筋肉の収縮と拡張を繰り返し、全身へ血液を送るポンプの役目をしています。心電図とは心臓の筋肉から発生する微弱な電流を体表面に付けた電極を介し波形として検出します。波形の形や長さなどから心肥大、伝達障害、心筋梗塞など多くの情報が得られます。
  2. 負荷心電図
    心臓に負荷を加えることで、安静時には発見しにくい狭心症や不整脈を見つけるための検査です。
    当院では以下の2種類の負荷心電図を行っております。

    • マスターシングル、マスターダブル、マスタートリプル
    • エルゴメーター法
  3. 起立負荷心電図(ODテスト)
    原因不明の失神やめまいのある患者様で神経調節性失神が疑われる場合に行われます。
    約10分間起立していただき、起立前(安静時)、起立直後、起立負荷後の心電図と血圧を計測します。
  4. ホルター心電図
    ホルター心電図は24時間心電図を記録します。睡眠時の心電図変化も逃さずキャッチし、重症な不整脈の早期発見に役立ちます。
  5. 血圧脈波検査
    ベッドに仰臥位に寝てもらい両腕、両足の血圧、心電図、心音図を同時に記録することで、血管の硬さや詰まりを測定します。主に下肢の閉塞性動脈硬化症の診断に用いられます。
  6. 皮膚灌流圧測定(SPP)
    毛細血管の血流障害を調べます。

(2)超音波検査

超音波検査とは、超音波を体内に送ってはね返ってきた音を利用し体内の様子や動きをリアルタイムに検査しています。人体に無害で痛みなどの苦痛を伴わず画像診断を行うことができます。検査当日は脱ぎきしやすい簡単な服装でお越しください。

超音波検査

腹部エコー

各臓器の大きさ、形態、内部状態、腫瘤の有無などの観察をします。
当院では、肝硬度測定を行うことができます。
肝硬度測定をすることにより、肝線維化を評価でき抗ウイルス療法の適応の決定や治療効果の予測、肝発癌リスクなどを把握することができます。また、現在増加している脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の予早期スクリーニングにも役立つツールとなります。

心臓エコー

心臓の形や大きさ、動きをみて診断を行います。
主な疾患には、心臓弁膜症、心筋症、心筋梗塞などの診断に有効です。

表在エコー

乳房や周囲の組織の断層像を検査する乳腺エコーや甲状腺エコー、下肢静脈エコー、頸動脈エコーなどの検査があります。

(3)呼吸機能検査

肺機能検査

思いっきり息を吸ったり、吐いたりすることで、吐く息の速さや量を測定し肺の機能を調べます。この検査は肺の病気の診断と重症度および治療の効果の判定や気管支喘息の診断、手術の際の麻酔方式の決定、体力測定等を目的として行われます。検査前に技師より説明致しますが、患者様の協力と努力がとても大切な検査です。実施時には是非協力して下さい。

呼気NO検査

呼気中のNO濃度は気道に好酸球性炎症があると上昇します。これをモニタリングすることで気道炎症のレベルに基づいて喘息の診断と治療ができます。

(4)脳波検査

脳はその活動にともなって非常に微弱な電流を流しています。頭部に電極をつけ、その電流を波形として記録する検査です。この検査は主に脳の異常による意識障害の診断やてんかんの診断などを目的として行われます。

(5)終夜睡眠ポリグラフィー(PSG精密検査、簡易PSGスクリーニング検査)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、寝ている時に何度も無呼吸や低呼吸を繰り返す病気です。
2019年3月より本院においても簡易PSGスクリーニング検査に加えて、PSG精密検査を導入しました。
脳波、眼球運動、心電図、筋電図、呼吸曲線、いびき、動脈血酸素飽和度などの生体現象を一晩にわたって記録し総合的に評価します。

(6)眼底検査

眼底写真は目に光を当てて網膜、血管などを直接観察する検査です。血管の変化を見ることで全身の血管の状態、眼科領域の疾患などを推測できます。

(7)カプセル内視鏡検査

小腸カプセル内視鏡

カプセル内視鏡は、2007年から日本でも販売認可及び保険適応になったカプセル内視鏡を実施しています。主に小腸の内部が対象となり、超小型カメラを内蔵した26mm×11mmのカプセルをビタミン剤のように口から飲み込んで画像を撮影して記録装置に転送しています。医師はこの画像をもとに小腸の診断をしています。

小腸カプセル内視鏡検査の特徴として

  • 従来の小腸検査に比べて苦痛がほとんど無い検査です。
  • 検査中は日常生活ができます。
  • 検査開始2時間後からお水、4時間後から軽い軽食を取る事もできます。
カプセル内視鏡カプセル内視鏡

大腸カプセル内視鏡

大腸カプセル内視鏡とは、小腸同様にカプセル型の内視鏡を、水分と一緒に飲んでいただき消化管を通過しながら、大腸の内部の写真を撮影していく検査になります。
大腸カプセル内視鏡検査の特徴として

  • 大腸内部を観察して調べる上では、苦痛や恥ずかしさはありません。
  • 検査では下剤を飲んで頂く必要があります。
  • 組織検査や治療はできません。

*その他、諸注意も色々ありますので医師や看護師等にお尋ねください。

(8)聴力検査

ヘッドホンをつけた状態でいろいろな音の聞こえる最も小さな音の大きさを調べます。左右の気導聴力を測定します。耳の聞こえ具合や鼓膜の状態、耳小骨筋の収縮をみる検査などがあります。また、補聴器の適応判定、調整のための検査も行います。

  • 標準純音聴力検査(オージオ)
  • ティンパノメトリー
  • 耳小骨筋反射検査
  • 標準語音聴力検査(スピーチオージオ)

(9)新生児聴覚スクリーニング検査(自動聴性脳幹反応:AABR)

音に対する聴性反応の検査で、生後2~4日に検査を行います。両耳にイアホーンで音を聞かせ聴神経、脳幹の電気的反応をとらえる検査です。